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差別化戦略
大学、短大、専門学校の違いは見えなくなってきている
分野によっては、大学、短大、専門学校がバッティングしているところが多くあります。 たとえば、保育、幼児教育、介護福祉、看護、ビジネス、語学、音楽、デザイン、芸術、コンピュータ、ゲーム、自動車、航空、建築、インテリア、土木、環境、バイオ、体育、栄養などのコース… 専門学校だけにある分野としては、公務員試験対策、国家試験対策、資格取得、柔道整復師、歯科技工士、理容、芸能、ファッション、きもの、ペットぐらいです。 後述した公務員試験対策を専門にしているような分野の専門学校では、短大、大学のいずれともバッティングしていないので、マーケティングが楽です。競合相手が同じ専門学校同士になるのでUSP(独自の優位性)を出すだけで十分戦えます。 下の表をご覧ください。 上のケースでは、競合が少ないためニーズも高く、後は、「どうしても貴校に入学したい。」と思わせられるような何かを取り入れれば、入学者は増えるはずです。 ただし、複数ある学校の中から一つだけ貴校だけを選択するのですから、高校生の欲求に訴える強力な何かが必要になります。 そのための方法として、高校生に「将来こうなりたい!」と思わせる簡単な方法は、将来のイメージを見せることです。 「君が本校に入学したら、こんな将来がある!」と、ビジュアルにも訴え、夢を描かせることです。 それによって、「何が何でも貴校に入学したい!」と言ってもらえるのです。 アンケート結果などから勘違いすることが多いのですが、「教育内容が充実しているから、ここで勉強したい。」という理由だけで入学してくる学生は、ほんの少しです。とくに専門学校の学生の場合、卒業後の就職という将来の目標を実現するステップとして入学してきます。 高校生にとって、カリキュラムは将来の目標を実現するための道具であって、それ自体が目的ではありません。 専門学校は大学と対等に戦えなくなった
ところが、専門学校が大学を競合相手にすると、それだけでも条件が不利になります。ご存知のように、少子化による大学全入化によって、高校生の大学志望は年年増えてきています。高校生の考え方も「出来るだけ長く学生生活を送りたい。」、「4年間の学生生活を満喫したい。」というように変化してきたからでしょう。 高校生にとっても選択肢が増え、専門学校よりも短大・大学へと進学する傾向にあります。 その理由の一つには、広告の表現にも問題があります。どの進学ガイドを見ていても、分野が同じ専門学校と大学の場合に、違いが分からないのです。学校のホームページを拝見しても専門学校と短大(または大学)の違いについて、「専門学校はここが…。短大ではここが…違います。」と優しく説明されているのですが、いまいちピンとこないのです。これは、私だけでなく高校生のほとんどが理解できないと思います。 違いについての説明を読んでいるときには、「ああ、なるほど。…」と理解するかもしれないのですが、読み終わってみると、「でも、やっぱり大差ないな〜」となるのです。 高校生には、短大(大学)と専門学校では、それくらいの違いしか見えてこないのです。 ですから、短大・大学と競合している専門学校が現状の戦略を続けていては、突然、社会状況が大きく変わらないかぎり募集は厳しくなるばかりでしょう。
大学・短大と競合している専門学校が生き残る戦略とは下の表をご覧ください。 大学・短大と競合している専門学校では競合校が多く、ニーズ(必要性)は低くなっています。また、ウォンツ(欲求)も低いのがふつうです。それでは、
「ニーズを高めるためにはどうすればいいでしょうか?」
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